- Bell Quest 冒険の書

森と渓谷の国 ルクセンブルク_2014.02.02

またしても、ブリュッセルから高速道路で2時間、ルクセンブルク大公国へ行ってきました。

 

ボックの砲台

 

ガイドブック的には森と渓谷の国というキャッチフレーズのこの国は、現在はドイツ・フランス・ベルギーと国境を接し、歴史・言語・文化のあらゆる面において大国の影響を受けつつも独自の発展を遂げてきたヨーロッパ有数の経済大国です。また、過去に2度、欧州文化首都に選ばれたことのある文化と芸術の都でもあります。ちょっと調べてみて興味深いと思ったのは、”多くの文化が交差するという環境に多言語が使われるという独自性が加わり、多くの可能性が生まれている”という点です。これはブリュッセルとよく似た条件で、日本とは対極的な点でもあります。

ルクセンブルクは、18世紀半ばまではどちらかというと人口流出率の高い農業国でしたが、小国ながらも鉄鋼資源に恵まれいることが判り、19世紀以降に重工業国として産業を発展させ、オイルショック以降は金融・通信へと産業転換を計り、規制や仕組みにおいて時勢を読んだ柔軟な対応で自ら自国経済を繁栄させてきました。ルクセンブルクは、2012年の一人当たり名目GDPは世界第1位となっています。購買力平価換算のGDP推移を日本と比較すると、実際は為替の問題があるにしても、ダブルスコアでルクスの方が裕福(下図(・∀・))

 

一人当たりの購買力平価換算のGDP(USドル)の推移 - 世界経済のネタ帳

 

で、実際に行ってみた感想はというと、

ガイドブックのキャッチフレーズ通り、「森と渓谷の国」そのもの。

私の個人的な先入観では、ルクセンブルクはガチの金融の街というイメージがあり、シンガポールみたいな感じを勝手に妄想していたのですが、全然そんなことは無かった(・∀・)

ルクセンブルク市は、コンクリートジャングルもゴチャゴチャした看板も無く、日曜日にはショップもお休み。渓谷の田舎町は、平日の秋保・作並温泉か郡上八幡宮。川の辺に昔ながらの建物が並び、町外れの山頂から町を見下ろすと、田舎の日曜日っぽい静けさと真冬の高くない空と針葉樹の緑が、新緑では無かったけれども、それはそれでとても綺麗でした。

ルクセンブルク市

ちなみに、今回は冬×日曜日で、さらっとドライブになってしまいましたが、どうせ行くならハイシーズンの平日がオススメです。

 

■ エッシュ・シュル・シュール

 

某地球の歩き方では、ベネルクス3国が1冊にまとめられていて、P357~P371までが、ルクセンブルクのページとなっています。エッシュ・シェル・シェールは、その14ページの中で紹介されている数少ない町の一つ。ちょうど、ブリュッセルからルクセンブルク市に行く道程に位置している、シュール川沿いの小さな町です。町を見下ろす小高い丘には、1000年頃の山城跡と城壁が残っています。

 

歩いて一周するのに多分30分は掛からない小さな山間の町ですが、その静けさに癒される人も多いことでしょう。ハイシーズンには緑が綺麗なんだろうな☆

 

 

■ ルクセンブルク市

 

”冬場×日曜日=人少ない”の法則に則り、ルクセンブルクの旧市街はひっそり然とした佇まい。日曜日はショップも閉まっているからなのか、旧市街のど真ん中のパーキングも無料となっています。ギョーム広場の隣の道でサンドイッチとコーラを買って、世界遺産にも指定されている古い街並みと要塞群を散歩。

 

 

曇天から一転して青空。アルゼット川沿いにグルント(低地)エリアを歩いて川沿いから城壁を見上げると、どこかで見たことがあるような景色。もしや、ラピュタ?!

ボックの砲台では、紳士風の日本人のおじ様2人組と遭遇。駐在員が出張者に観光案内中とのこと。ルクセンブルクは日本人が少なく日本食もあまり手に入らないので、ブリュッセルの方が暮らしやすくていいと思うよ、とおじ様。砲台の地下は迷路のようになっていて、3~10月に行くと中を歩くことができるらしいorz.また季節がよくなったら行ってみたい(≧▽≦)

石垣に高架橋、高台の近代建築。この組み合わせは、まるで、青葉城八木山橋青葉山キャンパス。スケールこそだいぶ違うけれど、ルクセンブルクなんか懐かしいと思ったら、構成パーツが仙台の青葉山と似ている。川と渓谷を天然の城壁にしているそもそもの設計が既視感の理由だろうね、とにゃん吉と私。杜の都をウリにしているところも似てるし、仙台市はいっそのことルクセンブルク市と姉妹都市提携でもして、金融・通信センターとして震災復興したらいいのに。

グルントを一回りして旧市街に戻り、最後にノートルダム寺院を訪問しました。こちらに来てからいくつか教会を訪ねましたが、ルクスのノールダム寺院のステンドグラスはとても美しく感じました。1935~38年に再建された建物なのでそう古い教会ではないのですが、ルクスに来る機会があれば是非訪れたい場所の一つです。

 

 

ルクセンブルクで忘れちゃいけないのが、Villeroy&Bochのショップ。やっぱりこちらも日曜日はお休みでしたが、ショップの場所だけはしっかりチェックしてきました♫ブリュッセル市内でももちろん取り扱いがあるのですが、いずれにしても日本で見たときより、よ~っぽどお値打ち。私は食器コレクターでも何でもないんだけれど、Villeroy&Bochのニューウェーブカフェのカップが好きで好きで堪らないのです。あるよね、何か知らないけど好きな形って。にゃん吉隊長はルクセンブルク満腹と言っておりますが、私は帰国前にもう一度ルクスに来たい!

 

■ クレルボーと戦争の記憶

 

ルクセンブルク市からブリュッセルへ帰る途中、クレルボーの町に立ち寄りました。某地球の歩き方では、真っ白な外観のクレルボー城の写真が紹介されていたこの町は、案内の通りで、クレルボー城と対面する教会、丘の上には20世紀初めに建設されたサン・モーリス・エ・サン・モール修道院がひっそり然と立ち尽くしていました。

 

クレルボーの町の周辺は、キャンプ場&キャンピングカー別荘地が多数あり、新緑や夏場には多分絶好のネイチャートリップのスポットとなる様子。町自体も、お城を取り囲むようにホテルやレストランが綺麗に整備されていて、日曜日の夕方にはレストランで食事を楽しむ家族連れやパブで盛り上がる若者(何かのスポーツサークルのメンバー?!)の姿も。修道院の丘から見下ろす景色は、日本の地方の温泉街風で、秋保か作並に居るんじゃないかという錯覚を覚える程、日本の山間部とよく似た景色が広がっていました。

白くて可愛いクレルボー城の中は、なんと戦争と平和の展示。12世紀に建てられたお城の外観からは、中世~の町とお城の歴史展示あたりを想像していたのですが、第二次世界大戦時のバジル作戦とアメリカ軍の軍服や装備品の展示が所狭しと並んでいました。戦争下の町のモノクロ写真が痛々しく、戦争で被害を被りながらも古くからの街並みが修復・保全されているが故に、展示を見たあとにお城の周りを一周回ると、現在の街並みに戦時中の写真がオーバーラップしてなんとも言えない気持ちになりました。

 

Photographへリンク

 

 

 ■ ルクセンブルクへのアクセス

 

(日本から)

  • 飛行機の直行便は無し(2014年2月現在)

 

(欧州主要都市からルクスへ)

  • ブリュッセル南駅から、ICで約3時間、ECで約2時間50分
  • リエージュから、約2時間30分
  • パリから、TGVで約2時間10分
  • ドイツのコブレンツからもIC・REが運行

 

 

■ 今回のルート


大きな地図で見る

 

<Appendix>

■ MORE ABOUT Luxembourg

 

ルクセンブルク大公国徹底解説 (在日ルクセンブルク大使館)

ルクセンブルク政府観光局

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